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対照的な二文化間のコミュニケーション

コミュニケーションは私たちの社会の基礎であり、個人的な関係を築き、アイデアを共有し、強力な組織を構築するのに必要不可欠だが、その方法は文化によって異なる部分があるようだ。文化の違いに留意してコミュニケーションを行う事は、対話を成功させるためには不可欠だと言えるのではないか。

一般に、日本や中国など暗黙のルールが多い文化のことをハイコンテクスト文化(HC)、反対に米国やドイツなど前提となる文脈や共通の価値観が少ない文化をローコンテクスト文化(LC)と呼ぶ。これらの二つの文化間では、対話へのアプローチが異なり、HCでは人間関係が最重要視されるのに対し、LCではコンテンツが鍵となる。例えば初対面同士の場合、日本では「〇〇さんとお知り合いなんですか?」という一言でグッと距離が近づくように、LCではスポーツなど共通の趣味の話題で盛り上がるといった所だろう。

また、コミュニケーションのスタイルも文化によって異なり、HCでは表情やジェスチャーなどの非言語的側面を多く利用し意見を交わすのに対し、LCでは率直で簡潔な言葉を用いてアイデアを直接交換することが重要だ。例えば、日本では「察する」という言葉があるように、相手の気持ちを汲み取って会話を行う場面がよく見られるのに対し、LCでは「察する」事はせずに率直に相手の意見を聞く場面が多い。

これまで、異文化におけるコミュニケーションの違いを見てきたが、私達が本当に分かり合うためのコミュニケーションとはどういったものなのか。今回のニュースレターでは、様々なシーンにおけるコミュニケーションの齟齬とその解決方法を探っていく。

How Does Culture Affect Communication: Exploring the Impact, Importance & Examples (Peep Strategy)

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