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家族をつなぐもの

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家族の信頼関係を築くには

ジャーナリスト兼作家であるティム・ロット氏と9歳の娘のルイーズは、毎晩のように口喧嘩をしている。口論の原因は、彼女が夕飯を残し、次の日までお菓子などを何も食べないと約束するにも関わらず、自分の部屋に隠したお菓子を食べて空腹を満たしていることだ。ロット氏は、ルイーズが平気で嘘をつくため、彼女との信頼関係を築けていないのではないかと不安を感じ、また、社会生活でも人間関係を損なう原因になってしまうのではないかと危惧している。

親子で楽しい時間を過ごす上で、互いに信頼を持っていることは非常に大切である。信頼があれば、家族一人一人の言うことを信じることができ、彼らの言動に大して明確な期待を持てるからだ。では、どのようにして親子の信頼関係を築くのか。

一つは、親が子供に対して有言実行することだ。そうすれば、自分の言葉や行動を守るよう努力していると示すことができる。ロット氏の例で考えると、「本当のことを言ってくれたら適量のお菓子を食べてもいい」と娘に約束し、実際にお菓子を与えることで、正直であることの必要性を伝えられるかもしれない。

また、頻繁にコミュニケーションを取ることも大切だ。日常の些細な会話を増やすことで、互いに生まれる齟齬を減らし、信頼関係を構築することができるからだ。

信頼関係は理想の家族像の一つの指標かもしれない。しかし、「家族の在り方」が多様化する中、 多角的な視点で理想の家族像を考えることが必要なのではないだろうか。今回のニュースレターでは、様々な「家族の在り方」をリサーチしていく。

You have to trust your children (the Guardian)

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