サステナビリティへの関心が高いと言われるZ世代。アメリカの調査会社ファースト・インサイトによると、彼らの75％がものを買うときに重要視するポイントだという。また、ミレニアル世代・X世代・ベビーブーマー世代でも同様に、消費におけるサステナビリティへの関心は高まりを見せている。

一方、彼らの意識が消費行動に必ずしも反映されているとは限らない。特にファストファッション業界は、コロナ禍においても成長を遂げてきた。私たちの意識と行動に矛盾を生じさせるものは一体なんなのだろうか。

SFF (The Sustainable Fashion Forum) の調査によると、価格が大きな要因になっているという。特に若い世代にとって、8ドルのドレスや3ドルのTシャツは魅力的な選択肢だろう。また、サイズアクセシビリティの欠如も要因のひとつだ。たとえ十分なお金があったとしても自分に合うサイズがない場合、必然的にサイズ展開が豊富なブランドを選択することになる。

そのほか、その商品が本当にサステナブルかどうかを判断するのが難しいこと、「知っているブランド」が大きな購入要因になっていることなど、複合的な要因が上げられる。これらに唯一の解決策はないかもしれないが、私たちが考えることのできる、多角的なアプローチを探っていきたい。

サステナブルな製品は、様々な理由から従来の製品よりも高価となってしまうが、それをマイナスと捉えないようにするためのヒントはいくつかある。まず、常に最低価格の商品を求めるという考え方を改める事だ。サステナブルな製品を購入する事で、長期的なスパンでの出費を減らす事が可能となり、結果的に節約ができる可能性がある。また、パーソナルケアなどに使用する消耗品をサステナブルなものに変えるという手段もある。例えば、繰り返し購入する必要がある月経ナプキンを再利用可能なナプキンや月経カップに交換する事で、節約となるだけでなく、環境への影響も軽減する事ができる。

私達が環境に配慮して商品を選ぼうとする際、それが本当にサステナブルな物かを見分けるための重要な指標として、サードパーティによる認証があるかを確認する事が挙げられる。サードパーティとは具体的に、製品が環境へ与え得る様々な影響を評価し精査する、NPOなどの組織である。それらの組織が第三者として、企業の製品が本当にサステナブルな物であるかを判別し、認証を与えているのだ。よって、私達消費者は、サードパーティによる認証という一つの基準でサステナブルな商品を選択する事が可能となる。

Vogue Businessのデータによると、2023AWシーズンに向けた、ミラノ、ニューヨーク、ロンドン、パリのファッションウィークでは、219ものショーが開催された。ショーで公開された9,137ルックのうち、プラスサイズ（US14以上）はわずか、0.6%、ミドルサイズ（US（US6~12)は3.8%であり、ショーで公開された95.6%がUS0~4のサイズであった。ランウェイの上ではまだまだサイズに対してインクルーシブな動きが見られていない。

ブランドのマーケティングやサステナビリティに関する核となる価値観が実際のビジネス慣行と一致していないことがグリーンウォッシングと呼ばれるようになっている今日。環境保護に関する主張の59% は、誤解を招くものであるか、根拠がないと言われている。業界のあらゆる分野のブランドがグリーンウォッシングで告発されているが、ファストファッションやハイストリート分野のブランドに大きな注目が集まっている。