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モチベーションを味方につけるには?

Focus

五月病への備え

GWが明けるあたりから、学校や会社に行きたくない、なんとなく体調が悪い、集中できないといった「五月病」の症状を感じる人も少なくないのではないだろうか。ソフトバンクの子会社「ヘルスケアテクノロジーズ株式会社」が行った調査でも、実に55%以上の人が「五月病になったことがある」と回答している。

主な原因となっているのは慣れない新生活でのストレス。とはいえ、志望校への進学や昇進など、ポジティブな変化もストレスの要因になることを考えると誰もが経験しうるものだろう。

また、五月病からの回復時間という質問に対し「2カ月以上」と答えた人は約18%に上る。単に「連休明けの不調」という概念以上に大きな影響を社会に及ぼしているがわかる。

五月病は日本独自のものだが、海外ではホリデーシーズン明けに気分が沈むことを“January blues (1月病) ”と呼んでいる。環境の変化や休暇明けにモチベーションがダウンしてしまう症状は世界でも共通しているようだ。

日本ではGWも折り返しに差し掛かるなか、私たちはいかに自分のモチベーションと向き合うことができるのだろうか。続くOPINIONでは、GW中に実践したいモチベーションダウンとの向き合い方について考察していく。

五月病に関する意識調査 (HEALTHCARE TECHNOLOGIES)

Opinion

モチベーションへの正攻法

4月から始まる新生活。大学院に進学したこともあり、この春は私にとって大きな節目となった。大学とは違った分野を新たな場所で勉強するということもあって、4月は心を躍らせていた。履修や研究室を決めやっと学生生活が落ち着いた頃にはもう5月に差し掛かっていた。土日も授業や課題に追われる中、休日を過ごした後の授業や仕事への切り替えがなかなか辛いと感じることがある。やることはあるのになかなかやる気にならない。そんなとき私たちはどうやってモチベーションをコントロールするべきなのだろうか。

Harvard Business Reviewに掲載されている「気分が乗らない時に働く方法」によると、モチベーションとはどうやら個人的なものではないようだ。そして、モチベーションをコントロールする力には個人差があるという。その中でも、研究によって有効であると考えられる方法がいくつか紹介されている。

まず第一に、目標設計が何より1番重要であるらしい。何をするにもはじめが重要であるように、しっかり終わりを見据えた計画を立てる必要がある。また、小さなステップごとに自分に報酬を与えることも有効だという。そして、1人でやり切ろうとしないことも大事だ。これは、誰かに仕事を任せるとかいう話ではなく、しっかり双方的なやり取りをする中で自分の仕事を改善するサイクルをつくることである。上司に小さなフィードバックをもらうことや、ポジティブな思考にしてくれる同僚と働くことだ。 ゴールデンウィークが明ける前に今一度、自分の働く環境を見直すことやタスクを整理してみよう。

How to Keep Working When You’re Just Not Feeling It (Harvard Business Review)

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