Scanner

ENGLISH

人生に豊かな働き方を

Focus

これからの社会、これからの働き方。

Z世代は1990年半ば〜2010年に生まれた世代のことを指し、日本においては総人口の15%世界で見ると32%をこの世代が占めている。そのため、Z世代の価値観や消費行動は何かと注目を集めてきた。Z世代は社会や環境に関する話題に意識的に取り組むなど、多面的な思考に対して関心を持っている。

そんなZ世代は仕事への価値観もお金に限らず、自身が何のために仕事をするのかといった意義や使命感を重視する傾向にある。そして多くが福利厚生や健全で柔軟な職場環境が給与よりも大事であると考えている。また、リモートワーク時代を経て、人間関係を築くことや共同体としての意識もより重要な項目であると考えられるようになった。

仕事においてより柔軟な選択肢が増えたからこそ、好きなことを追い求めやすくなった一方で、好きなことだけをして働くのは難しい。

ただ、どうしたら自分の仕事をすることがより楽しく、より好きになれるのだろうか。

今回のニュースレターでは、「豊かな働き方」について考察していく。

The 5things Gen Z Is Looking For in a Job and Career (Entrepreneur)

Opinion

「働く」を豊かにするつながり

別れと始まりを思わせる春の暖かさ。

友人や同僚の新しい門出を祝っては、「今の仕事を愛せているか、自分が長期的に成し遂げたいことに繋がっているのか」と思いに耽ることはないだろうか。

Forbesは仕事を好きになる方法として、同僚など周りにいる他者とのつながりを感じることだと述べる。幸福の最も重要な要素の1つは、他者とのつながりを感じることで、長続きする友情の75%は仕事から生まれるとも言われている。

先月ニューヨークの国際機関へ訪問し、職員の方のキャリアについてお話を伺った。マネジメントとフィールドワークを行き来する彼らの仕事では、「誰と協力して、誰のために働いているか」がモチベーションを大きく左右するという。「同僚はこの環境に至るまで、様々な経験を積んできた豊かな人。話しているだけで学びに溢れているが、同じミッションを共有することでますます距離が近くなっていく。また、主に発展途上国で行われるフィールドワークでは、解決したいと願う社会問題に生きる人々の姿を捉え、日々活動することでより一層の責任感が育まれる」とお話ししてくれた。

このように、実際に手を動かしている内容自体に問いの答えを求めるのではなく、日々を築く社会的な繋がりに思いを馳せてみるのも有益だ。春の空気に急がず、また新鮮な視野で仕事を見つめ直してみてはいかがだろうか。

Learn To Love Your Job (Even If You Don’t Right Now) (Forbes)

Related Articles

韓国の若い世代で増加する「ヤクルトレディ」

韓国ではこれまで40〜50代が多かった「ヤクルトレディ(韓国ではヤクルトおばさんと呼ばれていた)」の仕事に就く若い世代が増加している。移動式電動カートの導入や販売員を「フレッシュマネージャー」と呼ぶキャンペーンの実施、制服の刷新などの取り組みに加え、企業の広報担当者は始業・終業時間を自由に決められることが、20〜30代にとって魅力的な働き方になっていると語る。

Young adults look at old-people jobs as a fresh opportunity (Korea JoongSng Daily)

「中の上の企業」を選ぶZ世代

Google人事部で新卒採用を担当していた草深生馬氏によると、Z世代の就活生に人気があるのは生活が保証されるレベルの給与で、福利厚生が整い、拘束時間が短く、企業文化も堅すぎないといったような会社だという。この背景には、多様性や自分らしく生きることが大切だという価値観があり、会社という画一的なフレームワークや企業文化に則って生きなければならないことに疑問を感じているようだ。

Z世代就活生が「人気企業」ではなく、「中の上の企業」を選ぶ理由とは? (CNET Japan)

育児支援からはじまるワークライフバランス

OECDの調査によると、加盟国で最もワークライフバランスが取れている国はイタリアだという。週50時間以上働いている労働者は全体のわずか3%(OECD平均は10%)、パーソナルケアやレジャーに費やしている時間は最も長いという。背景にあるのは、政府が無償で提供する子供の保育サービスで、夏休みは学校のない平日もスポーツ施設などに子供を預けることができる。その結果、従業員のワークライフバランスが改善され、サービスを利用した従業員はそうでない人より出勤率が高くなったという。

Work-Life Balance (Better Life Index)

企業が考えるワークライフバランス

Comparablyによる、企業のワークライフバランス調査では、従業員のメンタルヘルスと働き方の柔軟性を重視する企業が高く評価されている。たとえばバイオテック企業の23andMeは従業員だけでなく、家族にも適用されるメンタルヘルス給付がある。その他にも、毎月最終金曜日に有給休暇を与える企業など、「静かな離職」から従業員を引き止める取り組みが注目を集めている。

The 25 big companies with the best work-life balance (Business Insider)